院長挨拶
埼玉西協同病院は2021年5月に前身の富岡診療所の開設から70年を迎えました。地域の先生方をはじめ地域の皆様には大変お世話になりました。改めて厚く御礼申し上げます。
いま、健康の格差といって生活に困窮している方、地域で孤立している高齢者、あるいは障害を持った方が大勢いらっしゃいます。そういった方々へ向けた活動に地域の方々からも沢山のご支援をいただき大変感謝しております。
さて、日本では諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行しています。地域の医療・介護の需要はますます増加していくことが予想されます。私たちは「在宅生活を支える地域の拠点病院」を合い言葉に、地域で在宅療養に携わっておられるスタッフの方々とも協力して、地域包括ケアシステムの構築に貢献できるよう活動を続けてまいります。また、家で暮らし続けるためにも、歯科を併設する特徴を活かして医科と歯科で連携し、「口から食べる」ことにも力を入れていきます。
現代は多様性を大切にする社会が求められています。地域の組合員とともに歩んできた医療生協の歴史に確信を持ち、「一人ひとりが大切にされるまちづくり」を進めてまいります。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
院長 関口由希公
理念・基本方針
一人ひとりが大切にされる医療からすこやかなまちづくりへ
基本方針
- 共感と共生のもとで安全・安心の医療・介護を実現します。
- 「医療生協の患者の権利章典」を実践します。
- 医療生協の健診・健康づくりを推進します。
- ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事〈厚労省訳〉)を実現します。
- 育ちあいのもとで、こころと知識を磨きます。
- 周りの人と手をつなぎ、すこやかに暮らせるまちづくりをすすめます。
- ひとりひとりの個性が発揮され、生きがいのある共同の社会づくりに貢献します。
- 地球環境を守り、平和共存(核兵器廃絶、軍備の廃止)を推進します。
医療の安全に対する基本理念(医療安全管理指針)
私たちは、これまで民医連綱領や患者の権利章典にもとづき、患者中心の医療を貫いてきました。しかし今日、国民の医療に対する価値観の変化の中で、「インフォームド・コンセント」「患者の尊厳と人権を守り・育てる」医療など、「高い医療の質」の提供と同時に、何よりも「安全性」が求められています。
医療の現場では、医療従事者の不注意が、単独であるいは重複することによって、医療上望ましくない事態を引き起こし、患者の安全を損なう結果となりかねません。
患者の安全を確保するためには、私たち医療従事者の不断の努力が必要です。さらに、 日常診療の過程に幾つかのチェックポイントを設け、単独の過ちが即「医療事故」というかたちで、患者の生命・身体に実害を及ぼすことの無いような仕組みを院内に構築しなければなりません。
こうした考え方のもとに、それぞれの医療従事者の個人レベルでの事故防止対策と、施設全体の組織的な事故防止対策の二つの対策を推進することによって、医療事故をなくし、患者が安心して安全な医療が受けられる環境と職員の安全確保整備するために、医療安全管理指針を整備しています。本院においては、病院長のリーダーシップのもと、全職員がそれぞれの立場からこの問題に真剣に取り組み、「安全・安心」の「高い医療の質」を提供していくものとします。